2015/2/25

総合・マクロ

ムーディーズ、ロシア信用格付けを「投機的」に引き下げ

この記事の要約

米格付け大手のムーディーズは20日、ロシアの信用格付けを投機的水準の「Ba1」に引き下げた。見通しは「弱含み」。大手格付け会社によるロシアの「投資不適格」級への格下げは、1月のスタンダード&プアーズ(S&P)に […]

米格付け大手のムーディーズは20日、ロシアの信用格付けを投機的水準の「Ba1」に引き下げた。見通しは「弱含み」。大手格付け会社によるロシアの「投資不適格」級への格下げは、1月のスタンダード&プアーズ(S&P)に次ぐ2例目。ロシアからの資金流出が改めて拡大し、政府や大手国営企業による資金調達がさらに難しくなりそうだ。

ムーディーズはリスク要因として、ウクライナ紛争や欧米による制裁、原油価格の下落、外貨・金準備高の急速な減少を挙げている。

格下げを受けて、年金基金や保険会社など安定運用を図る機関投資家は、リスクを縮小するためにロシア国債の売却に向かうとみられる。JPモルガンによると、その額は47億米ドルと推定される。さらに、他の外国投資家が保有する国債116億ドルの一部も売却されるのは確実だ。

政府に続いて大手国営企業も格下げが見込まれ、ようやく光が見えてきたロシア証券市場の市況に濃い影を落としそうだ。

シルアノフ財務相は21日、格下げについて、「政治的判断」に基づくものと強く反発。ロシア経済の強みを無視する「他に例をみない」不公平な評価と抗議した。(東欧経済ニュース1月28日号「ロシア国債を「投機的」に格下げ=S&P」を参照)