2015/3/25

総合・マクロ

EUがエネルギー同盟構築で合意、対ロ依存脱却に向け

この記事の要約

欧州連合(EU)は19日、ブリュッセルで首脳会議を開き、域内のエネルギー安全保障の強化に向け「エネルギー同盟」の創設を進めることで合意した。ウクライナ問題をめぐり対立するロシアに天然ガス・石油の輸入を依存する現状から脱却 […]

欧州連合(EU)は19日、ブリュッセルで首脳会議を開き、域内のエネルギー安全保障の強化に向け「エネルギー同盟」の創設を進めることで合意した。ウクライナ問題をめぐり対立するロシアに天然ガス・石油の輸入を依存する現状から脱却し、安定的で持続的なエメルギー供給を確保するのが狙い。

EUは域内のエネルギー需要の53%を輸入に頼っており、輸入額は年間で約4,000億ユーロにのぼる。特に天然ガスでは中東欧の6カ国がロシアからの輸入に100%依存するなど、エネルギー供給の脆弱性が浮き彫りになっている。欧州委員会は先月、こうした課題に対処するため、エネルギー同盟構築に向けた戦略案を公表していた。

首脳らはエネルギーの安定供給を確保するため、電気とガスの供給網の相互接続強化などインフラ整備を加速させることや、現行のエネルギー法制を厳格に執行していくことを確認。域外のガス供給業者との購入契約をEU法に合致させて透明性を高め、エネルギー安全保障規定と両立させるよう求めた。また、省エネの推進や再生可能エネルギー技術の開発、エネルギー生産国と通過国との間で協力強化を図っていくことなどでも合意した。

首脳会議の議長を務めたEUのトゥスク大統領は会議終了後の記者会見で、「実効性のあるエネルギー同盟は、安価、安全で持続可能なエネルギーを確保することで、欧州のエネルギー事情を抜本的に改善する」と強調。今回の合意により、「我々はまさに大きな一歩を踏み出した」と述べた。(後続記事も参照)