ウクライナのデムチシン・エネルギー相は23日、ロシアからの天然ガス輸入を来月から停止すると発表した「現時点で調達の必要がない」ことを理由としている。20日に新たな価格交渉が始まったのを受け、ロシアをけん制する狙いがあるもようだ。
ロシアによるウクライナへの天然ガス供給の条件を定めた「冬季合意」が月末に期限切れとなるのを前に、両国は仲介役の欧州連合(EU)を交えた3者協議を開くことになっている。焦点となる価格設定について、エネルギー相は21日にも「欧州連合(EU)からの輸入増加でロシアからガスを輸入する必要性が縮小している」として、ロシアが値下げを余儀なくされるとの見方を明らかにしていた。
EUによると、ウクライナのガス備蓄量は現在78億立法メートルに上る。今後気温が上昇することを加味すると、価格交渉が難航しても、ウクライナは夏までロシアからの輸入なしで乗り切れる見通しという。(後続記事を参照)