2015/3/25

チェコ・スロバキア

チェコ国営電力CEZ、買収による成長に意欲

この記事の要約

チェコ電力最大手で国営のCEZは、設備投資が一段落したのを受けて、今後、買収による成長を目指す。具体的には伊エネル子会社のスロバキア電力(SE)や、スウェーデン・バッテンフォールのドイツ褐炭事業などを視野に入れている。 […]

チェコ電力最大手で国営のCEZは、設備投資が一段落したのを受けて、今後、買収による成長を目指す。具体的には伊エネル子会社のスロバキア電力(SE)や、スウェーデン・バッテンフォールのドイツ褐炭事業などを視野に入れている。

発電所の近代化プロジェクト完了でキャッシュフローが増加するとともに、テメリン原発拡張計画の中止で予算として組まれていた150億米ドルが自由になり、CEZの軍資金は十分だ。ノヴァク最高財務責任者(CFO)は23日、買収で社債格付けが落ちる心配はないと話した。また、安定配当を重視していることも明らかにした。

バッテンフォールは年末までにドイツ東部の褐炭火力発電所(出力8,100メガワット)と露天鉱山5カ所を売却する意向だ。水力発電所(出力3,000メガワット)を売却対象に加えることも検討している。一方、伊エネルはスロバキア電力(SE)の株式66%を売却する計画で、5月初めに応札の日程が組まれている。対象には建設中のモホウツェ原子力発電も含まれる。エネルによれば、資産価値は10億ユーロに上る。

ノヴァクCEOは、これらの2つの案件がCEZの得意とする事業であり、グループ戦略に適合するとみる。ただ、SEについては、原発事業のリスクを慎重に検討する立場だ。

買収が成立しないなどの理由で手持ち資金が増加した場合には、有利子債務の縮小に充てる。