2015/3/25

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ロシア富豪のフリードマン氏、トルコ携帯最大手の買収に28億ドル提示

この記事の要約

ロシア富豪のミハイル・フリードマン氏は17日、トルコ財閥のチュクロヴァ・グループが保有するトルコ移動通信最大手トゥルクセルの株式13.8%を28億米ドルで取得することを提案した。この金額は16日終値を94%も上回る。ただ […]

ロシア富豪のミハイル・フリードマン氏は17日、トルコ財閥のチュクロヴァ・グループが保有するトルコ移動通信最大手トゥルクセルの株式13.8%を28億米ドルで取得することを提案した。この金額は16日終値を94%も上回る。ただ、トルコ政府は以前からトゥルクセルを戦略的企業と位置づけ、外国資本への売却を認めない方針だ。このため、今回の提案は契約に基づく逆買収提案を引き出す狙いと推測されている。

トゥルクセルへの出資率はチュクロヴァ・グループが13.8%、フリードマン氏が率いるアルファ・テレコムが13.2%。今回の買収が成功してもフリードマン氏の持ち株は約27%に過ぎない。しかし、トゥルクセルの複雑な出資関係のため、間接的にトゥルクセルの経営権を手中に収めることができる。

ただ、トルコ当局がこの取引を許可する可能性は極めて低い。提案が通らなかった場合、2005年の株主合意により、チュクロヴァは同じ条件でフリードマン氏に買収を提案しなければならない。

フリードマン氏とチュクロヴァは今回の提案の対象となった株式の保有権をめぐり、過去に裁判で争った経緯がある。最終的に、チュクロヴァがフリードマン氏に債務を完済することを条件に、問題の株式の正式な所有権を認められた。

チュクロヴァはこの株式を担保として、完済資金をトルコ政府系のジラート銀行から借り入れた。このため、株式は現在、ジラート銀行の管理下にある。