2015/3/25

ロシア

ロシア鉱業界、大型投資を計画

この記事の要約

ロシア鉱業界で大型投資が計画されている。特に極東サハ共和国と北極圏で関連企業の動きが活発だ。サハ共和国だけで今年の石油・天然ガス、ダイヤモンド、金などの探鉱投資額は250億ルーブルに上ると予想される。このほかに採算性向上 […]

ロシア鉱業界で大型投資が計画されている。特に極東サハ共和国と北極圏で関連企業の動きが活発だ。サハ共和国だけで今年の石油・天然ガス、ダイヤモンド、金などの探鉱投資額は250億ルーブルに上ると予想される。このほかに採算性向上に向けた近代化も実施される見通しだ。

ダイヤモンドのアルロサと複合企業エブラズの合弁企業である鉱業金属チミル(GMK Timir)は、サハ共和国で総額600億ルーブル(8億6,400万ユーロ)を投資する。2017年までに選鉱コンビナート2カ所を整備するほか、ゴルキツコエ、タルィンナフスコエ、タエジノエおよびデソフスコエの4つの鉄鉱床を開発する。チミルは完工まで地方税免除の特典を受ける。

西シベリアのケメロボ州でもエブラズの子会社エブラズルダがゴルノ・ショルスキ(Gorno-Shorsky)鉄鉱山における生産量を年480万トンに引き上げる計画だ。同鉱山の埋蔵量は推定3,700万トンで、鉱石の鉄分含有量は30%。

また、エブラズルダが昨年ルダ・ハカシー(Ruda Chakasii)に売却したテイスキ(Tejsky)鉱山では採算性の維持に向け、2017年までに最大50億ルーブルを投資する必要がある。

アルミ世界最大手のルサールは、ロシアのボーキサイト埋蔵量の約3割を擁するとみられる、北西部コミ共和国のティマン鉱山を買収した。ここから、毎年300万トンのボーキサイトをグループのアルミ精錬所に供給する。ルサールは今年、1,000万米ドルを設備投資に振り向ける計画だ。

ルサールは世界的なアルミ需要の縮小で数年にわたり厳しい財務を強いられた。しかし、通貨ルーブル安で国外市場における価格競争力が増し、2014年の最終損益は2億9,300万ドルの黒字に転換した。13年は33億ドルの赤字を計上していた。(1RUB=2.03JPY)