バルト3国の平均賃金は昨年、前年比でいずれも増加し、エストニアとラトビアでは金融危機前の2008年の水準を初めて上回った。名目賃金が上昇すると同時に物価上昇率が大きく低下し、購買力も高まっている。スウェーデンの金融機関SEBの最新調査『バルト諸国の家計動向』で明らかになった。
昨年の手取り賃金の伸び率は、ラトビアが8.6%で最も高かった。リトアニアとエストニアでは5%前後だった。10-12月期の手取り賃金を額面でみると、エストニアが826ユーロでダントツのトップ。ラトビアは575ユーロ、リトアニアは554ユーロと、大きく遅れをとっている。
ラトビアの手取り賃金は08年より実質で2.4%多かった。購買力も、14年10-12月期は08年の同期よりも3.2%上昇した。
エストニアの14年手取り賃金は08年を実質で3%上回った。10-12月期の購買力は危機前で最高を記録した08年同期より4.3%増えた。
リトアニアでは14年手取り賃金は08年よりも4.2%少なかった。
年金額の平均は、エストニアが349.6ユーロ(前年比5.6増)、ラトビアが271ユーロ(2.6%増)、リトアニアが240.6ユーロ(0.5%増)だった。