2015/11/4

ハンガリー

ハンガリー民放大手の売買問題、混乱深まる

この記事の要約

ハンガリー民放大手のTV2の売買をめぐる状況が混乱度を増している。独メディア大手のプロジーベン・ザット1(Pro7Sat1)は10月27日、ハンガリーの企業裁判所で、カーロリー・フォニョー氏による同局買収に対する異議申し […]

ハンガリー民放大手のTV2の売買をめぐる状況が混乱度を増している。独メディア大手のプロジーベン・ザット1(Pro7Sat1)は10月27日、ハンガリーの企業裁判所で、カーロリー・フォニョー氏による同局買収に対する異議申し立てを行った。

Pro7Sat1は2013年、TV2をゾルト・シモン、イヴォン・デデリックの両氏に売却した。両氏に対する融資を延長した際に、TV2の売却に関する拒否権を取得したが、今回の取引はPro7Sat1の承認なしに進められたため、違法と主張している。

TV2売買をめぐる問題は、10月15日にアンドリュー・ヴァニャ政府映像産業委員がTV2を買収したと発表したことから始まった。これに対し、フォニョー氏は「13日に傘下のメガポリス・メディアを通じて同局を所得した」と発表した。メガポリス・メディアは2013年、シモン氏およびデデリック氏との取り決めで、TV2の先買い権を取得しており、これを行使したと主張している。

フォニョー氏は与党・フィデスに近い実業家ヤーロシュ・シミチュカ(Simicska)氏と取引関係にあることなどから、買収を発表した時点で、報道の自由を危ぶむ論客が警鐘を鳴らしていた。放送内容が与党寄りになるという批判にフォニョー氏は「そのようなことはない」と反論している。

■経済当局はヴァニャ委の取得を許可

ハンガリー経済競争局(GVH)は29日、ヴァニャ映像産業委員によるTV2取得を承認した。ただ、法的に問題がないという司法判断が前提とし、買収する権利がだれにあるのかは裁判で明らかになるとの立場を明確にした。