2015/11/11

総合・マクロ

クロアチア議会選挙、中道右派HDZが勝利

この記事の要約

クロアチアで8日、欧州連合(EU)に加盟してから初の議会選挙(定数:151)が行われ、中道右派の野党・クロアチア民主同盟(HDZ)が与党・社会民主党(SDP)を抑えて第1党となった。ただ、両党とも過半数には届かず、連立協 […]

クロアチアで8日、欧州連合(EU)に加盟してから初の議会選挙(定数:151)が行われ、中道右派の野党・クロアチア民主同盟(HDZ)が与党・社会民主党(SDP)を抑えて第1党となった。ただ、両党とも過半数には届かず、連立協議を含め今後の政治運営は難航が予想される。

中央選管が9日発表した速報値(開票率:99%)によると、HDZが率いる中道右派連盟が59議席、SDPを中心とする中道左派連盟が56議席を獲得した。また、改革実行を掲げる新党「モスト(橋)」が予想外の成功をおさめ、19議席を占めた。ほかに、地域主義政党連合の「イストリア民主会議・プリモリェ=ゴルスキコタル同盟(IDS-PGS)」、極右「スラヴォニア・バラニャ・クロアチア民主同盟」など4政党が議席を獲得した。

HDZとSDPは互いに大連合内閣の可能性を否定しており、組閣に向けてはモストの動きがカギを握る。ただ、モストも2大政党と連立しないことを公約しており、党首脳は「『改革』を条件に閣外協力の形で少数単独政権を容認する」方向で検討すると話している。

今回の選挙ではHDZもSDPも政策面での違いを明確に打ち出せず、支持層をいかに動員できたかが選挙結果に反映された。SDPは選挙に負けたものの多くの議席を握っており、野党になれば、その力で与党の政策運営を阻むと予測される。

また、組閣のカギを握るモストについては、経験の浅さから政党としての結束力を保っていけるかが注目される。

いずれにしても、2大政党の勢力がほぼ均衡し、議会過半数の確保が難しい状況で、遅延する司法・行政改革の早期実現はさらに現実性を失いつつある。

なお、クロアチア議会は定数151議席のうち140議席が選挙で選ばれる。残る11議席は少数民族や国外クロアチア人に配分される。

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