2016/2/10

総合・マクロ

イスラエル、トルコへのガスパイプラインを検討

この記事の要約

イスラエルのユヴァル・ステイニッツ・エネルギー相は7日、トルコとの関係が改善すれば、天然ガスを同国に輸出することも考えられるとの見解を示した。自国とトルコを結ぶパイプラインを新設することで、トルコ経由でギリシャに供給でき […]

イスラエルのユヴァル・ステイニッツ・エネルギー相は7日、トルコとの関係が改善すれば、天然ガスを同国に輸出することも考えられるとの見解を示した。自国とトルコを結ぶパイプラインを新設することで、トルコ経由でギリシャに供給できるとみている。一方のトルコにもロシアへのエネルギー依存軽減につながるメリットがある。新パイプラインはイスラエル沖合のリヴァイアサン・ガス田からの輸送を想定している

イスラエルとトルコは、2010年のガザ支援トルコ船団襲撃事件で悪化した外交関係の正常化に動き出している。トルコは昨年11月のロシア戦闘機撃墜事故を機に、天然ガス需要の9割を頼るロシアとの関係が冷却化しており、エネルギー保障の観点からイスラエルに急速に接近している。

ステイニッツ・エネルギー相は、「イスラエルとエジプトで十分な埋蔵量が確認されれば、パイプライン建設の採算性が確保できる」と述べ、エジプト産ガスの輸送も視野に入れていることを明らかにした。同相によれば、敷設費用の推定額は当初の150億米ドル(130億ユーロ)から70億ドルまで下がっている。

キプロスの首都ニコシアで先月28日に開かれたイスラエル・ギリシャ・キプロス首脳会談では、イスラエルからキプロスを経由しギリシャを至るパイプライン敷設に向けて調査することで3カ国が合意した。イスラエルとキプロスを結ぶ区間についてはすでに建設が決定し、2019年までに稼動する予定という。ただ、ギリシャへの輸送路では、キプロスを経由するよりも今回浮上したトルコ経由ルートのほうが経済的にも技術的にも容易だ。

イスラエルでは2009年にタマル、10年にリヴァイアサンのオフショアガス田が発見された。タマル・ガス田(推定埋蔵量:2億5,000万立方メートル)では商業生産が始まっているが、規模のずっと大きいリヴァイアサン・ガス田(同:5,350億立方メートル)については独占権をめぐる訴訟などで開発が遅れている。

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