2016/2/17

総合・マクロ

EU、対ベラルーシ制裁を解除

この記事の要約

欧州連合(EU)外相会議は15日、ベラルーシとの関係改善を目的に、同国に対する制裁措置を今月末でほぼ全面的に解除することを決めた。政治囚の釈放や、昨秋の大統領選が平和裏に実施されたことを評価する一方、ロシアとの交渉ルート […]

欧州連合(EU)外相会議は15日、ベラルーシとの関係改善を目的に、同国に対する制裁措置を今月末でほぼ全面的に解除することを決めた。政治囚の釈放や、昨秋の大統領選が平和裏に実施されたことを評価する一方、ロシアとの交渉ルートとして同国を確保する狙いがあるとみられている。

ベラルーシは制裁解除を受けて歓迎のコメントを発表。「地域の安定と安全向上」に向けてEUとの対話していく姿勢を明らかにした。一方、人権保護団体などからは「人権弾圧が続く中の制裁解除はベラルーシ政府に誤ったシグナルを送る」と批判の声があがっている。

EUは2004年に対ベラルーシ制裁を開始し、その後、範囲を拡大してきた。今回の決定により、ルカシェンコ大統領を含む170人の入国禁止、資産凍結を解除する。また、兵器産業3社についても制裁を解除する。

一方で、武器の禁輸措置と、反政府派の行方不明事件との関係が疑われる保安機関職員4人への制裁は継続する。

昨年10月の大統領選挙は、2010年の前回選挙時のような警察による市民への暴力行使なく完了した。これを受けて、EUは今月末まで4カ月間、対ベラルーシ制裁を時限的に解除していた。

ただ、選挙関連では反体制派に対する立候補・選挙活動妨害や1個人による複数投票といった問題がみられ、現在でもメディア統制、集会の自由の制限など、民主制とは程遠い現実がある。EUではその事実を認めながらも、ベラルーシが「正しい方向に歩み始めた」ことを評価することで民主化の動きを促進したいとコメントしている。

ウクライナ紛争をめぐり、EUはルカシェンコ大統領がウクライナとロシアの仲介役を務めたことを高く評価している。「地政学的問題と制裁解除は無関係」としているものの、制裁解除を通じて同大統領に貸しを作った形だ。(東欧経済ニュース10月14日号「ベラルーシ大統領選挙、ルカシェンコ氏が5選」を参照)