2016/5/11

総合・マクロ

中東欧6カ国で成長率拡大=欧州委春季経済予測

この記事の要約

欧州委員会は3日発表の春季経済予測で、2016年は欧州連合(EU)新規加盟11カ国のうち6カ国で経済が加速するとの見通しを明らかにした。EU助成金を利用した投資が減る一方で、個人消費や輸出回復など他の要因がプラスとなる。 […]

欧州委員会は3日発表の春季経済予測で、2016年は欧州連合(EU)新規加盟11カ国のうち6カ国で経済が加速するとの見通しを明らかにした。EU助成金を利用した投資が減る一方で、個人消費や輸出回復など他の要因がプラスとなる。

東欧最大市場であるポーランドは、15年の3.6%から16年は3.7%に上昇する。17年は3.6%の予測。雇用改善や4月導入の児童手当で可処分所得が増えるのに加え、インフレ圧力も弱く、個人消費が伸びそうだ。

ハンガリーは15年の2.9%から16年は2.5%に低下するが、17年は2.8%に持ち直す。

チェコは15年の4.2%から16年は2.1%へ大幅に減速。17年も2.6%にとどまる。消費が成長を支える一方で、公共投資減の影響が強く出そうだ。

スロバキアは15年の3.6%から16年は3.2%に低下する。17年も3.3%の予測となっている。

スロベニアも15年の2.9%から16年は1.7%へ落ち込む。17年は2.3%と2%台に回復する。

ルーマニアは16年4.2%、17年3.7%。リスクとして、返済不能に陥った抵当債務者に対して、抵当物件の所有権と引き換えに残金支払いを免除する「非遡及融資(ノンリコースローン)法」などが指摘されている。

ブルガリアは15年の3%から16年は2%へ減速。17年は2.4%に回復する。

クロアチアは15年の1.6%から16年は1.8%、17年は2.4%へ緩やかながら上向く。

バルト諸国は対ロシア制裁の影響が弱まる。エストニアは15年、電子機器の輸出急減で成長率が1.1%にとどまったが、16年は1.9%、17年は2.4%に上昇する。リトアニアも15年の1.6%から16年に2.8%、17年は3.1%へと伸びる。ラトビアは15年の2.7%から16年2.8%、17年3.1%とわずかに上昇する。

加盟国以外では、トルコが15年の4%から16年は3.5%に減速。17年は3.7%まで回復する。

ロシアは15年、3.7%のマイナス成長となった。16年も1.9%縮小するが、17年は0.5%のプラス成長となる。

ユーロ圏の16年成長率は1.6%、17年は1.8%、EU28カ国は16年1.8%、17年1.9%の予測だ。

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