アゼルバイジャン国営石油企業のソカールは21日、トルコ西部イズミルのアリアーに建設中の製油所「スター(Star)」を今年10月に開設する見通しを明らかにした。同製油所への投資額は63億ドル。原油精製能力は年1,000万トンで、同施設の稼働がトルコにおける石油精製品の輸入減と貿易赤字の削減につながると期待されている。
現在トルコのディーゼル油の年間消費量は2,400万トンで、うち国内生産分は1,000万トン。同製油所の開設により輸入依存度は55%から40%に引き下げられるほか、液化石油ガス(LPG)も79%から70%に低下する。
ソカールは同施設の建設費のうち33億ドルを日本、米国、スペイン及びイタリアなどの輸出入銀行とのプロジェクトファイナンスにより調達した。同社の発表によると6月末に最初の原油がアゼルバイジャンから到着する。その後10月初旬に生産を開始し、フル稼働は2019年となる予定だ。同製油所の製品はソカールが現地に持つ石化子会社ペトキム(Petkim)にも供給される。
トルコの石油消費量は過去10年間に年率4%で増加してきた。今後10年間も年間2~3%の割合で増えていく見通し。