プーチン大統領、年金改革案を修正

ロシアのプーチン大統領は8月29日、年金改革の部分的な見直しを発表した。全国的な抗議と支持率低下を受けたもので、女性の年金受給開始年齢を当初予定していた63歳から60歳に引き下げた。一方で、国家財政の運営力維持や、社会安定、国家保安の観点から、改革は避けられないと訴え、国民の理解を求めた。

ロシア政府はサッカー世界選手権(W杯)の開幕戦にロシアチームが出場した6月14日、受給開始年齢を男性で現行の60歳から65歳へ、女性では55歳から63歳へ引き上げることを骨子とした年金改革案を発表した。W杯開幕と同時に計画を公表することで、注目度を下げる狙いだったとみられるが、発表直後から抗議が全国的に広がり、プーチン大統領の支持率は今年初めの80%から67%まで下落した。

このため、女性の受給開始年齢の引き上げ幅を男性と同じ5歳にすることや、子どもの数で受給額を変えるなどの調整を加えた。シルヤノフ財務相は今回の変更で今後6年の国家支出が5,000億ルーブル(63億7,900万ユーロ)増えると推測している。

プーチン大統領は年金受給開始を遅らすことで、支給額が上昇するとの見通しを示し、年内に平均で月額1万4,414ルーブル(約183.9ユーロ)へ増加すると予告した。(1RUB=1.64JPY)

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