ルーマニア中央銀行は23日、フィンテック(ITを活用した金融サービス)業界の振興と管理を目的としたプラットホーム「フィンテック・イノベーション・ハブ」が始動したと発表した。決済をはじめとする金融サービスの発展を支援すると同時に、開発の動きを監視することで、どのような規制・監視措置が必要かを見極める狙いがある。
具体的には、革新的な決済サービスを開発する企業に対し、中銀の専門家にプロジェクトを紹介し、新サービスが法に抵触しないかどうか確かめる場を提供する。また、新サービスのはらむリスクを見出し、企業に対応策を提案する。
中銀は企業との対話を通して、業界の発展を妨げない形でどうリスクを抑制するかを検討していく。サービスの安全性を高めることで、ユーザーが安心して利用できる環境を整える狙いだ。これにより中銀の使命である「銀行・金融システムの安定確保」や、すべての人が金融サービスを利用できる「金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)」の実現にも貢献できるとみている。
今回の動きは、改訂欧州決済サービス指令(PSD2)が今月14日に全面発効したのを受けたものだ。同指令は消費者の安全向上と金融サービス業界の競争促進を目的としている。