ポーランド・クラクフ市の公共交通会社、MPKクラクフは2日、スイスの軌道車両製造大手シュタッドラーから低床式路面電車を新規調達すると発表した。60編成を調達する見込みで、第1段階として10編成を8,371万ズロチ(330万ユーロ)で発注する。2022年初めの納品開始を予定する。
昨年秋に開始した調達入札にこれまで応札を提示したのはシュタッドラーのみだが、応札額が予定価格を12%上回るためMPKクラクフは同社への発注を決めた。公共調達庁の承認を得て正式契約する。
調達する車両は全長30~37メートルで、乗車定員は220人。2編成はバッテリーを搭載して高架線なしで3キロメートル走行できる仕様とし、残りの編成もバッテリーの後付けが可能な設計にする。最終的な発注数は欧州連合(EU)からの助成金受給額に応じて決める。
シュタッドラーは2007年にポーランドで軌道車両の製造を開始。17年秋に地場のソラリス・バス&コーチと合弁で路面電車製造会社ソラリス・トラムを設立し、MPKクラクフから低床式路面電車50編成を初受注した。ソラリス・トラムは18年末にシュタッドラーの完全子会社になった。(1PLN=27.76JPY)