ロシアは6月に開催予定だったサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)を中止する。新型コロナウイルスが国内で流行するのを防ぐ狙い。同フォーラム組織委員長のアンドレイ・ベロウソフ第1副首相が5日の記者会見で明らかにした。
ベロウソフ委員長によると、中止の決定は世界保健機関(WHO)の同日の発表を受けたもので、「ロシア国民、ゲストおよびフォーラム参加者の健康を守るためだ」と説明した。WHOは新型コロナの「封じ込めは可能」としつつ、「一部の国では取り組みが不十分だ」と指摘。「すべての国が迅速かつ果断な対応を取ることを望む」と呼び掛けていた。
SPIEFはロシア最大級のビジネスイベント。例年、プーチン大統領をはじめ各国の首脳や企業家、投資家、著名エコノミストらが参加し、企業投資から国際経済協力までと幅広いテーマで議論が行われる。2019年は中国の習近平国家主席、18年は仏マクロン大統領や安倍首相、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事(当時)が出席した。