欧州閣僚理事会は9日、新設する欧州サイバーセキュリティ産業技術研究センター(ECCC)の立地としてブカレストを選定した。来年開所する予定だ。ルーマニア政府は招致の成功が地元のサイバー防衛産業の振興につながるほか、同分野におけるルーマニアの評判を高めると歓迎している。
ECCCは、サイバーセキュリティ分野の研究開発で欧州連合(EU)加盟国間の連絡調整を担当する。産業技術研究の前進に向けたEUの投資でも中心的な役割を果たす。EUの研究開発プログラム「ホライズン」とデジタル戦略「デジタル・ヨーロッパ」におけるプロジェクトを結び付け、技術の研究から実用化・導入までを一貫して支援する。来年から2027年までの中期予算で交付される資金の合計は20億ユーロを超える見通し。
ECCCの立地選定に当たっては、ブカレストのほか6都市が名乗りを上げていた。決選投票で、EUの事実上の首都であるブリュッセルに近いエベールをブカレストが15対12で破った。