トルコ新興企業、かぜ症状のAI診断アプリを開発

トルコの新興企業イェシル・サイエンス(Yesil Science)が上気道感染症(かぜ)の診断アプリ「フルーAI」をリリースした。ユーザーが自分で撮影した喉の写真を人工知能(AI)で分析し、症状と組み合わせて診断の上、推奨される手当てを示す機能を持つ。これにより、抗生物質の無駄遣いを防ぎ、耐性菌の増加を食い止められるという。

フルーAIは、かぜやインフルエンザでよくみられる上気道(鼻腔から咽頭まで)の感染症を診断する。新型コロナの感染が疑われるかどうかも分かる。

グーグルプレイとアップルストアでアプリを配布している。初回は無料。2回目以降は1回あたり3.99米ドル、または1カ月使い放題で9.90ドルを徴収する。

イェシルでは「精度の高い診断を手軽に受けられる」という利点のほか、副次的な効果として◇医院での待ち時間短縮◇検査・運輸費用の節約◇病院における感染リスク縮小◇ソーシャルディスタンス(人と人との距離確保)実現――などを挙げている。

米国疾病対策センター(CDC)の2017年のレポートによると、同国で処方された抗生物質の推定50%が治療に必要ではなかった。また、世界保健機関(WHO)によると、2050年までに抗生物質耐性菌による死者は世界全体で1,000万人に達すると見込まれる。

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