ロシア石油最大手の国営ロスネフチは7日、国内中南部のサマラ精製コンビナート内にあるノボシビルスク製油所で、作業員の保護装備としてスマートヘルメットの実証試験を行ったと発表した。通信大手ロステレコムとの合同プロジェクトで、同ヘルメットの着用により工業安全規定の順守の状況を遠隔監視し、安全性向上を図るのが目的だ。工業安全規格認定を取得後、全ての自社生産施設で導入する。
スマートヘルメットには電子モジュールと、全地球測位システム(GPS)と連動するセンサーが8個装備され、設定されたパラメータに反応する仕組みとなっている。作業現場内の作業員の動きをとらえ、その情報を中央センターが一括収集し、データとして加工し保存する。
作業員が保護装備を安全規定通り使用しているかなどの情報を収集し、GPS経由でオペレータに送信したり、追跡機能(トラッカー)で1.5メートル以上の高さからの落下や頭部の激しい打撲などを察知して、作業現場の緊急事態発生にいち早く対応できるようになる。作業員自身が援助要請シグナルを発することもできる。将来的には、作業員の健康情報の採取などにも機能を広げる考えだ。