ソーシャルメディアの人気者がモノリス発見~ハンガリー

米ユタ州の砂漠で最初に見つかった金属製の謎の物体。スタンリー・キューブリック監督のSF映画「2001年宇宙の旅」に登場するモノリス(一枚岩のような建造物)に似ていることや、その後多くの国で同じような金属製の物体が出現していることから、ソーシャルメディアを中心に話題になっている。

東欧でもチェコ、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スロベニア、ウクライナなどから目撃情報が伝わっている。中でもハンガリーではソーシャルメディアの有名人「悲しい眼のハロルド(本名:アンドラーシュ・アラトー)」が自らフェイスブックで報告したものだから、フォロワーを中心に大きな反響を呼んだ。

アラトーさんは電気エンジニアを引退した75歳。8年前のトルコ旅行で船長の帽子をかぶった姿を写真に収め、友人・知人に見てもらおうとネットで公開した。それを見つけたプロのカメラマンがスカウト。写真素材のモデルとして数百枚のポートレートを撮ることになった。

その数カ月後、企業のサイトなど本来の目的で自分の写真が使われているのと同時に、写真を架空のシチュエーションに埋め込んだ「ネタ」がネットで広まっていることに気づいた。気に入らない使われ方もあり、法的に差し止めることも考えたが、「ネットに流れたものは無くならない」と得心し、「流行りだから黙っていればおさまる」と様子見を決めた。

ところが、初めに「ネタ」として取り上げられた米国から欧州、アジアと世界中に人気が飛び火した。そして、ネット検索でメールアドレスを見つけたファンから「皆、ハロルドが実在しないと思っている。ぜひ生きている証拠を見せてほしい」と懇願されたのに根負けして、自らのスナップ写真をアップしたところ、瞬く間に広がった。

これを機に様々な誘いがかかり、写真だけでなく音楽ビデオに出演したり、油絵を始めたり、ラジオの音楽番組の司会をしたりと新しいことを挑戦する機会に恵まれたという。

さて、今では世界で30万人のフォロワーがいるアラトーさんだが、ブダペストの15区と16区の境界にある原っぱで、金属製の「モノリス」を発見。モノリスを背景に自分撮りをしてソーシャルメディアで報告した。それによると、ブダペストのモノリスには近くに「汎銀河連合からの贈り物」との断り書きがあったという。

この投稿は1万2,000を超える「いいね!」を集めた。コメントには「いや、ねじで留めてあるなんてミステリー」といったものや、「ハロルドにぴったり!『エイリアン、素敵な贈り物をありがとう』と微笑んでいるけど、眼は『畜生、俺らも終わりだ』と語っている」など、フォロワーが楽しんでいるようすがうかがわれた。

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