トルコ国営ホウ素メーカーのエティ・マデン(Eti Maden)が2020年12月末、国内北西部エシュキシェヒルでリチウム工場の稼働を開始した。ホウ素の精製工程で出る廃液からリチウムを抽出する自社開発技術を使い、輸入に依存しているリチウムの国内生産に乗り出す。ドンメズ・エネルギー天然資源相によると、年産量は当面約10トンで、数年以内に600トンまで増強する。電気自動車(EV)やスマートフォンなどの携帯機器のバッテリーを中心に大きな需要を見込み、将来的には1,000~1,200トンまで拡大する計画だ。
リチウムイオン電池の重要な需要分野であるEVでは、トルコ自動車合弁グループ(TOGG)が初の国産EV生産プロジェクトに取り組んでいる。2030年までにコンパクトSUV、コンパクトハッチバックなど5種類のEVモデルの知財権を取得し、生産する計画だ。国産リチウムはそのバッテリーに使われる。
このほか、トルコ国防財団傘下のアスピルサン・エナジーが年内の完成に向け中部カイセリでリチウムイオン電池工場を建設中だ。