スロバキア自動車工業会(ZAP)がこのほど発表した2020年の自動車生産台数は98万5,000台となり、前年比で11%の減少にとどまった。ZAPは昨年秋、減少幅は20%を上回るとの見通しを示していた。同会のマツシェク会長は、(新型コロナ禍の)現状を鑑みればこの結果はすばらしいものだと述べた。
同国では完成車及び自動車部品が輸出総額の約50%を占める。ZAPは今年の生産台数が100万台を超えるか否かが1つの目安だとしている。
昨年の国内の新車販売台数は都市封鎖(ロックダウン)や工場閉鎖の影響により、前年比25%減の8万4,909台に後退した。今年の国内の販売市場についてZAPは、市場の回復に伴い販売数は9万5,000台に伸びると予想している。
昨年は輸入中古車のシェアが拡大した。同中古車の車齢も伸びており、10年超の車両が36%以上を占めた。
マツシェク会長は政府のコロナ対策について、市場の状況に柔軟に対応し生産の回復につながるものとして評価している。自動車業界については、今後も欧州が進める環境に配慮した持続可能な戦略に適う措置を継続する必要があるとの見方を示す一方、スロバキアについてはeモビリティへの対応や給電インフラの整備で後れを取っていると述べた。