トルコのバス製造大手オトカル・オートモティブ(Otokar)は19日、自動運転バスの第2段階テストを成功裏に終えたと発表した。低速でも繊細な制御が可能で、快適な乗車が確保できるレベルに達していることを確認した。テストはソフトウエアの統合および自動確認機能を実証するもので、提携するイスタンブールのオカン大学と3日間かけて実施した。
オトカルは、欧州連合(EU)の2050年交通事故ゼロ目標を視野に入れたプロジェクトとして、都市交通向けの自動運転バスの開発に取り組んでいる。ギョルギッチ社長によると、ハンドルのない全天候型の自動車両の開発・商品化が最終目標だ。現時点では、時速0~30キロメートル時ならば運転制御の難しい状況でも快適な走行を実現している。車体制御が目的の4輪ドリフトや交差点での進行方向転換も安全にこなし、車両の前に人などが飛び出した時には緊急ブレーキで急停止する。信号や路肩の交通標識、停留所でバスを待つ人も検知できるという。
オトカルはコチ財閥傘下のバス製造会社で、バス、ミニバス、トレーラーなど商用車に加え装甲車などの軍用車を製造する。トルコ初の電気バスを開発し、昨年から輸出している。イタリアの同業イベコ・バスとの生産提携で今年、同社モデルの生産を開始する予定だ。