ロ非鉄金属大手がブロックチェーン技術活用、トレーサビリティ向上へ

ロシアの非鉄金属大手ノリリスク・ニッケルが、「責任ある調達」を実現する目的で結成された国際企業連合「レスポンシブル・ソーシング・ブロックチェーン・ネットワーク(RSBN)」に参加する。ブロックチェーンを活用し、鉱山における採掘から販売に至るまで、すべての段階で記録を残す。これにより、重要性を増しつつある環境・社会・ガバナンス(ESG)指標の達成を進めていく。

ノリリスクはRSBNの参加について、「『顧客第一』をモットーに、デジタル技術を活用したサプライチェーン構築を目指すグループ戦略に沿うもの」と説明する。今後は毎年、RSBNの監査役を務めるRCSグローバルから、全生産段階で調達基準を満たしているかどうか、調査を受けることになる。将来的には、二酸化炭素(CO2)排出など、監視する環境・社会・ガバナンス(ESG)指標を広げていく方針だ。

ノリリスクは先月、製品・資産・資源商品のトークン(仮想通貨)化プラットフォームを運用するアトマイズと提携し、トークン形態での資源取引を開始した。今回のRSBNへの参加と併せ、製品のトレーサビリティ(追跡可能性)を向上させ、取引の透明化を図る措置と位置付けている。また、循環型サプライチェーンへの参加を可能にするとともに、煩雑な事務作業を省くことにも貢献するとしている。

RSBNは、自動車、電機・電子、宇宙、防衛産業のOEMメーカー(相手先ブランドによる受託製造会社)及びその取引先(鉱物会社、バッテリーメーカーなど)での採用を前提に設計された。リナックス財団のハイパーレジャーを活用した米IBMのブロックチェーン技術を用いている。

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