リトアニア政府は1月29日、国内3空港に中国国営の同方威視技術(ニュークテック)から保安検査機器を調達するのを禁じると発表した。安全保障上の懸念が理由。近く議会で正式に決定する。中国テクノロジー企業から機器を調達しないよう要請する米国などの動きに歩調を合わせる形だ。
同方威視は昨年、入札を通じてヴィリニュス、カウナス、パランガの3国際空港の荷物検査機の調達先に選ばれた。これに対し、国会の任命した専門家会議が1月下旬、国家保安の観点から、同社機器の導入がリトアニアの利益に反すると結論付けた。2017年発効の中国国家機密法を根拠に、同方威視の機器で乗客及び荷物の情報が収集され、中国諜報機関に提供される恐れがあると判断した。
国家機密法は個人・企業に諜報機関への協力を義務付けている。米国は機密や最新技術の盗用につながる恐れがあるとみて、中興通訊(ZTE)や華為技術(ファーウェイ)といった通信企業を中心に警戒を強めてきた。同方威視の製品については昨年6月、欧州に非採用を呼びかけている。