独フォルクスワーゲン(VW)グループ傘下のチェコ自動車最大手シュコダ・オートが、新型コロナ禍をきっかけに労働環境のデジタル化への取り組みを加速させている。リモートワーク、バーチャル会議、デジタル研修など柔軟な就労モデルを通して、従業員のチームワークの効率を高めるとともに、企業全体としての排出削減への貢献に期待している。
シュコダは昨年春に新型コロナが感染拡大した際、39日間生産を停止した。これを機に、対面での打ち合わせに代わりバーチャル会議やビデオ電話が活用されるようになり、通信の安全性を高めるVPN接続ネットワークをそれ以前の1,200から約8,000に拡大した。また、在宅勤務のための機材の提供や、技術をサポートするオンライン研修なども行っている。
昨年5月に立ち上げたイニシアチブ『FastCo』は、将来、労働環境のデジタル化が定着することを視野に入れ、組織体制、働き方、事業構造、業務プロセス、ビジネスモデル、製品、サービスなど多様な観点で25のプロジェクトに取り組んでいる。
一方、国際ディーラーネットワークでは、『デジタルショールーム』の試験プロジェクトに22ヵ国の220店が参加している。大型ディスプレイをショールームに見立て、顧客の要望に最適なモデルの紹介や、装備や外観など顧客が欲しいクルマをその場で提示できる新しい販売サポートツールとなる。このコンセプトは将来的に多くのディーラーに導入する計画だ。