ハンガリーMOL、バイオ燃料生産を開始

ハンガリー石油最大手MOLは17日、ブダペスト近郊のドナウ精製所でバイオ燃料の生産を開始したと発表した。2050年までに温室効果ガス排出をゼロにするという目標の達成に向けたもの。バイオ燃料では30年までに年間10万トン超の生産を計画している。バイオ燃料メーカーとしての基盤を強化し、事業の付加価値を高めていく。

MOLはこれまで他社からバイオエタノールなどを調達し、バイオディーゼルに加工していた。総調達量は50万トンを超える。ドナウ精製所の新生産施設では植物油、使用済みの調理用油、動物の脂などの有機材料を化石燃料と混ぜ、ディーゼル油に加工する。品質は従来のディーゼルと変わりないが、持続可能な付加価値を持つ燃料として排出削減に貢献する。

MOLは2012年、パノン大学(ヴェスプレーム)の研究成果をもとに新しいバイオ燃料の研究開発に着手し、18年に加工や貯蔵のためのインフラ構築への投資を開始した。昨年3月の試験運転を経て、5月から正規稼働に入った。同バイオ燃料により二酸化炭素(CO2)を年間最大20万トン削減できるとしている。

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