ワルシャワを本拠とする投資会社、イノヴォ・ベンチャーパートナーズ(Inovo)は21日、第2号ファンド「イノヴォII」の資金調達が完了したと発表した。目標の約1.5倍に当たる5,400万ユーロが集まり、ポーランドを初めとする中東欧テクノロジー事業への関心の高さがうかがわれた。イノヴォは第2号ファンドを通じて、ポーランド及び中東欧におけるアーリーステージのスタートアップ投資機関としての地位を固める意向だ。
「イノヴォII」には、欧州投資基金(EIF)のほか、大手ファンドや有名起業家、ファミリーオフィス(個人資産運用会社)が投資した。この資金の主な投資先は以下の通り:スペースリフト(Spacelift:クラウドインフラ管理の自動化)、インファメディカ(Infermedica:AIベースの予診)、ユトゥロ・メディカル(Jutro Medical:デジタル医療・遠隔診療)、AIクリアリング(AI Clearing:人工知能(AI)ベースのインフラ工事監視)、ゾウイ(Zowie:AIチャットボット)、プリプライ(Preply:外国語授業のマーケットプレイス)、パックヘルプ(Packhelp:セミオーダー包装材)、インティアロ(Intiaro:家具の3Dシミュレーター)、ティディオ(Tidio:マイクロビジネス向けコミュニケーションツール)、オールセット(Allset:食事のテイクアウト・イートイン注文アプリ)、アイリム(Eyerim:ブランド眼鏡ショップ)。
マネージングパートナーのトマシュ・シュフィエボダ氏によると、中東欧テクノロジー業界は急成長している。ポーランドは70%の年間成長率を記録し、昨年は300社に総額5億ユーロ弱のベンチャー投資が実施されたという。同氏は、この10年で企業価値が10億ドル以上のユニコーン企業が10社、100億ドル以上のデカコーン企業2社が生まれると予想している。