ルーマニア新興企業、業務自動化ソリューションで事業拡大狙う

業務自動化ソリューションを手がけるルーマニアのKIM(旧

キープITモバイル)が国外進出を含めた事業拡大を狙っている。独自のプラットフォームを通じて新商品を提供し、国内だけでなく欧州・アジアでも顧客を獲得したい意向だ。

KIMはヴィチェンチウ・コルブ最高経営責任者(CEO)が2012年に創業した。工業都市として知られるプロイエシュティに本拠を置く。同社が開発した、近距離無線通信(NFC)技術をアンドロイドOSのモトローラ端末(現ゼブラ)と組み合わせて使う低コストのソリューションは石油・天然ガス業界企業などで導入され、備品・設備管理、保守作業の自動・簡易化に貢献した。その技術は、欧州連合(EU)のイノベーション奨励プログラム「ホライズン2020」で、優秀なプロジェクトに対する評価「シール・オブ・エクセレンス」を受けた。

今年は、100万ユーロを投入した新ソリューションを自社プラットフォーム(kim4industry.com)で提供開始した。製造、物流、営業向けの3種類で、定型作業の自動化を通じて従業員の生産性を最大50%改善できる。また、ビジネスプロセスのデジタル化で、リアルタイムな業務管理も可能になる。さらに、仮想/拡張現実(VR/AR)技術と組み合わせれば、機械管理者が作業の手を止めずに仕事割り当ての連絡を受けたり、完了した仕事にチェックを入れたりできる。

コルブCEOによると、パンデミックを機に、ルーマニア企業の間でも生産の遠隔管理や業務の流れの自動化の重要性が深く認識されるようになった。KIMでは国内のこのようなデジタル化需要に応えていくとともに、国外のプロジェクト受注にも力を入れていく方針だ。

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