2021/5/19

総合・マクロ

セルビア、グリーン水素生産に向け水素戦略案を策定

この記事の要約

セルビア政府が今夏までに水素戦略案をまとめ、実現に向けた協議を開始する方針だ。新エネルギー開発戦略の柱の一つとして水素を位置付けるもので、草案によると、再生エネルギーを利用し、2025年までに10メガワット(MW)、30 […]

セルビア政府が今夏までに水素戦略案をまとめ、実現に向けた協議を開始する方針だ。新エネルギー開発戦略の柱の一つとして水素を位置付けるもので、草案によると、再生エネルギーを利用し、2025年までに10メガワット(MW)、30年までに100MWの水素電解プラントを整備する目標を掲げる。

鉱業エネルギー省のゾラン・イリッチ政務官(エネルギー担当)によると、第一段階としてサヴァ川かドナウ川流域に水上電解プラントを設置する計画だ。プラントの面積は5,000平方メートルで、水を電気分解して水素を得る。原料となる水の浄化装置のほか、容量50立方メートルの水素タンクを110基、電解に必要なエネルギーを供給する風力又は太陽光発電設備(最大出力3MW)を併設する。プラットフォームの材料には木材を用いる。

草案は、ベオグラード大学工学部やミハイロ・プーピン情報工学研究所、電機業界団体エレクトロマシノグラドゥニャの代表・専門家で作る作業部会が作成した。欧州を始め、世界の主要国で、新しい電源として再生可能エネルギーで生産する水素(グリーン水素)に注目していない国はないとの認識から、セルビアでも直ちに水素利用へ向けた行動を起こす必要があるとの考えだ。脱炭素・水素への移行を進めるため、官公民が協力して資金調達、技術力の強化、必要な技能を持つ人材の育成に取り組むことを提案している。