出前仲介の独デリバリーヒーロー、南東欧事業を西グロヴォに売却

出前仲介サイトの独デリバリーヒーローは5月26日、南東欧6カ国の事業をスペイン同業グロヴォに1億7,000万ユーロで売却すると発表した。これらの国で最大手になるのは困難と判断し、経営資源をドイツ事業の再開などに集中する。

売却するのはフードパンダ(ルーマニアとブルガリア)、ドネシ(セルビア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ)、パウザ(クロアチア)の3子会社。ルーマニアでは2022年1~3月期、他の5カ国では今後数週間以内に取引が完了する見通しだ。

グロヴォは対象となる6カ国すべてに進出済み。5月12日にはスロベニアの出前大手エフラナ(Ehrana)の取得を発表したばかりで、南東欧事業の地盤強化が進む。

デリバリーヒーローはアジア、欧州、中南米、中東、北アフリカの約50カ国で事業を展開する。食事のほか、最近では食品・日用品の宅配にも力を入れる。ドイツからは2018年末、ジャストイート・テイクアウェイ(リファランド)に事業を売却して撤退したが、この夏、本格的に「再参入」する方針だ。ただ、出前・宅配サービスは利が薄い上、ドイツ市場の競争が激しく、採算がとれるかどうかを疑問視する声もある。

デリバリーヒーローは今年4月、グロヴォに2億2,900万ユーロを投資し、同社株37%を取得した。昨年末には同社から中南米事業を2億3,000万ユーロで買収している。

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