独フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社であるシュコダ自動車は5月27日、電気自動車(EV)の使用済みバッテリーを蓄電システムとして再利用することに取り組むと発表した。新システムは地元テクノロジー企業、IBGチェスコと共同開発するもので、特約ディーラーが電源として設置し、多様な用途に活用する。すでにチェコ、ドイツ、オランダ、スロバキアのディーラーから160基を受注しており、数年以内に4,000基以上の設置が見込まれている。
新開発の蓄電システムは、プラグインハイブリッド車(PHV)「スペルブiV」と「オクタビアiV」に搭載されていたバッテリー(充電容量13キロワット時)では20基まで、完全EV「エンヤクiV」のバッテリー(82キロワット時)では5基を組み込むことができ、必要に応じて簡単に交換できる。システム容量は最大328キロワット時で、最大出力150キロワットの急速充電スタンドとして利用できる。ディーラーは設置済みの太陽光発電システムの余剰電力などを蓄電し、EV充電のほかショールームや整備工場の照明などの電源として活用する。
当面は試作車やテスト車両から回収したバッテリーを使用し、将来的に量産モデルの使用済みバッテリーを投入する計画だ。据え付け型蓄電器として使用した場合、バッテリーの蓄電容量は1年間に約2%しか劣化せず、寿命を最長15年に延ばせるため、二酸化炭素(CO2)排出量の大幅削減につながると期待されている。