●衛星インターネット技術の開発でリトアニアの地位が向上
●人工衛星システム開発計画「スターリンク」が事業の柱
イーロン・マスク氏が設立した米民間宇宙開発企業スペースXが2日、リトアニアに子会社を設立した。リトアニア政府の誘致に応じたもので、マリュス・スクオディス運輸相は同社の進出がネット接続状況の改善だけでなく、欧州における衛星インターネット技術の開発でリトアニアが重要な地位を占めるきっかけになり得ると述べ、同社の進出を歓迎した。
子会社の名称は「スターリンク・リトアニア」で、スペースXが進める人工衛星システム開発計画「スターリンク」が事業の柱となるもようだ。運輸相は今年2月の時点で、衛星インターネット技術をリトアニアで開発するようスペースXに要請していた。
欧州連合(EU)は、2025年までに速度100メガビット秒(Mbps)以上のネット接続を域内の全世帯へ普及させる目標を掲げる。従来型のインターネット・インフラが十分に整っていない地域では、スターリンクの衛星インターネット技術が高速化に大きく貢献すると期待される。リトアニアではスターリンク技術の実用化でEU目標を前倒しで実現できる可能性も出てきた。
スターリンクの運営する衛星はすでに1,100基強。最終的には1万2,000基に増える見通しだ。