●低下は予想外
●ロックダウンを受けた需要減少により価格上昇が抑制
トルコ統計局(TUIK)が3日発表した5月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比で16.6%となり、前月(17.1%)から0.5ポイント縮小した。インフレ率の低下は11カ月ぶり。市場は17.3%の上昇を予測していた。直近のロックダウン(都市封鎖)を受けた需要の減少により多くの分野で価格上昇が抑えられたことが予想外の低下につながった。
分野別にみると、構成比重の大きい「運輸(自動車燃料含む)」が前月(29.3%)から0.9ポイント減の28.4%に低下して全体を押し下げた。下落幅が最も大きかったのは「衣類・靴」(5.8%)の5.2ポイント。上昇率が最も低かったのは「アルコール飲料・たばこ」(2.9%)だった。 「住居費・公益料金」は前月から0.5ポイント増の14.1%に上昇した。「食品・非アルコール飲料」は横ばいの17%と高止まりしている。
同国中銀は4月以降、インフレ率の上昇に対応するため政策金利を19%に据え置いている。中銀はインフレ率を5%まで下げる目標を掲げており、ディスインフレ効果を維持するため政策金利はインフレを上回る水準で決定することを明言している。