2021/6/23

テクノロジー

ファイルシステムのタクセラ、ハンガリー宇宙企業と提携

この記事の要約

●ハンガリーのプリ社が進める「月タイムカプセル計画」で●月開発関連プロジェクトを通じてノウハウの深化を図る。フィンランドのファイルシステム大手タクセラ(Tuxera)は今月初め、ハンガリーのプリ・スペーステクノロジーズ( […]

●ハンガリーのプリ社が進める「月タイムカプセル計画」で

●月開発関連プロジェクトを通じてノウハウの深化を図る。

フィンランドのファイルシステム大手タクセラ(Tuxera)は今月初め、ハンガリーのプリ・スペーステクノロジーズ(Puli Space Technologies)が進める「月タイムカプセル計画」に資金・技術協力を行うと発表した。従来からの提携を強めるもので、月開発関連プロジェクトを通じてノウハウの深化を図る。

タイムカプセル計画は、人類の記録を刻んだアルミ合金板を月面に輸送するものだ。米航空宇宙局(NASA)が進める商用月輸送サービス(CLPS)の一環として来年6月に打ち上げられるアストロボティック社のペリグリン着陸船に積み込まれる。

プリ・スペーステクノロジーズは2010年、民間月面無人探査コンテスト「グーグル・ルナ・Xプライズ(GLXP)」への参加を目的に設立された。タクセラはこれに関連し、14年にプリに対して技術・資金協力を開始した。GLXPはすべての条件を満たす参加者がなく「該当なし」で終了したが、プリは「タイムカプセル」を月に送ることでアストロボティックと契約するに至った。

このタイムカプセルは特殊アルミ合金製の板で、月の環境下でも数万年の耐久性を持つ。表面にレーザーで刻みこむことで、画像やニュース報道、書籍、個人の文章などを縮小保存する。10倍の拡大鏡で解読できるという。同じ板が、世界遺産に指定されているオーストリア・ハルシュタット岩塩坑の「人類の記憶(MoM)」プロジェクトでも保存されている。

プリはまた、昨年7月に超小型水分検出器でNASAから賞を受けており、23年の打ち上げに向けて準備を進めている。