チェコ下院、原発入札からロシアと中国を排除する法案を承認

●中道右派野党の要求に政府が応じる

●韓国は落札への意欲を強くアピール

チェコ下院は16日、ドゥコバニ原子力発電所の新炉建設入札からロシアと中国を排除する法律案を可決した。中道右派野党の要求に政府が応じた形で、野党は代わりに低炭素法案の成立に協力する。原発入札に関する法律案は今後、上院の審議にかけられる。低炭素法案は、新炉で発電される電力に対する買い取り価格や、建設費用調達について規定している。

今回の法律案では、ドゥコバニ原発の第5号機新設工事入札に参加の条件として、工事案件に関する国際政府調達協定に加盟している国の企業であることを定めている。ロシアと中国はこの条件を満たしていない。

チェコはすでに今年、中国については安全保障上の理由から、ロシアについては2014年の弾薬庫爆発事件にロシア諜報機関が関与していたという調査結果を受けて、いずれもドゥコバニ原発入札から排除することを決定した。しかし、今秋に議会選を控え、野党側は決定が容易に変更できないよう、法制化したいもようだ。

ロシアと中国が選択肢から消えたのを受けて、韓国が落札への意欲を強くアピールしている。文勝煜(ムン・スンウク)通商産業資源部長官は17、18の両日、韓国水力原子力発電(KHNP、韓国電力公社グループ)の代表とともにチェコを公式訪問し、アンドレイ・バビシュ首相およびカレル・ハヴリチェク産業通商相と会談した。KHNP以外では、仏電力公社(EDF)、米ウエスチングハウスおよび、仏オラノ(旧アレバ)と三菱重工の合弁会社の参加が見込まれている。

新炉着工は2029年、稼働は36年稼働の予定だ。総工費は60億ユーロ強と見積もられている。(※は、ひへんに晃。)

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