2021/7/14

その他産業

日立など日系3社、ポーランドのスマートグリッド実証事業を完了

この記事の要約

●再生エネ導入拡大に向け、送電系統の強靭化を図る●導入した各種システムは今後も継続して運用日立製作所は8日、ポーランドにおけるスマートグリッドの実証事業が成功裏に終了したと発表した。同事業は再生可能エネルギーの導入拡大に […]

●再生エネ導入拡大に向け、送電系統の強靭化を図る

●導入した各種システムは今後も継続して運用

日立製作所は8日、ポーランドにおけるスマートグリッドの実証事業が成功裏に終了したと発表した。同事業は再生可能エネルギーの導入拡大に向け、送電系統の設備更新と増強、容量不足の解消を目的に行われた。事業を通じて導入された系統安定化システムとハイブリッド蓄電池システムはすでに運用が始まっており、今後も同国内の送電系統の高度化に向けて活用される。

実証事業は2019年10月から、日立と三井住友銀行、昭和電工マテリアルズが国営送電会社ポーランド・パワーグリッドおよび北部の電力事業者エネルガグループと協力して行ってきた。日立はパワーグリッド社に提供した系統安定化システムの運用を20年9月から、日立と昭和電工マテリアルズはエネルガのビストラ風力発電所に設置したハイブリッド蓄電池システムの運用を今年4月から開始している。

系統安定化システムは、既設の送電系統が系統事故に備えて残している送電線の有効活用を図るものだ。通常時にこの予備の容量を再可エネの送電に使い、事故時には再可エネ設備と系統を自動的に切り離し、送電線への負荷が過剰にならないように制御する。ハイブリッド蓄電池システムはこの系統安定化システムと組み合わせて運用するもので、風力発電量の短期的な変動に備えた送電容量の確保や、需給バランスを踏まえた送電容量の調整を行う。

これらと並行し、三井住友銀行は日立、昭和電工マテリアルズと共同で、事業化に向けたビジネスモデルと資金調達手段について検討を行った。3社は今回の実証事業で得た知見をもとに、同事業を継続的に支援していく。