●ユニコーン企業のボルト、評価額は40億ユーロ強に
●資金は食品宅配の新事業「ボルト・マーケット」に振り向ける
エストニアの配車サービス大手ボルトは2日、同社として過去最大となる6億ユーロの資金調達を完了したと発表した。取引にあたり、企業価値は40億ユーロ強の評価を受けた。資金は新しい食品宅配サービス「ボルト・マーケット」の立ち上げのほか、従来のモビリティー・宅配事業の拡大に充てる。
タリンに本拠を置くボルトは2013年、タクシファイという社名で設立された。アプリを通じて中核事業の配車サービスのほか、カーシェアリング「ボルト・ドライブ」、電動アシスト自転車と電動スクーターの貸出サービス、フードデリバリーの「ボルト・フード」を展開する。世界45カ国以上に7,500万人の利用者がいる。
新サービスは食品宅配の「ボルト・マーケット」で、今後数カ月以内にバルト諸国、中欧、スウェーデン、ポルトガル、クロアチア、ルーマニアなど欧州10カ国でスタートする。「15分以内の配達」を約束し、急成長市場ながら競争の激しい分野に参入する。
今回の資金調達では、米国のセコイア、テクネ、ギサロを新たに投資家として迎えたほか、同じく米国のGスクエアードとD1キャピタル、英ナヤ・キャピタルマネジメントから追加投資を受けた。
エストニアにはボルトのほか、企業価値が10億米ドルを超えるユニコーン企業が6社ある。