2021/9/1

テクノロジー

IT大手のヤンデックス、ウーバーから合弁会社株を10億ドルで買収

この記事の要約

●合弁事業を完全子会社化、事業成長の加速を狙う●ITやEC大手は独自サービスの「経済圏」確立に動くロシアIT大手ヤンデックスは8月31日、米配車サービス大手ウーバーから合弁事業の株式を10億米ドルで取得すると発表した。対 […]

●合弁事業を完全子会社化、事業成長の加速を狙う

●ITやEC大手は独自サービスの「経済圏」確立に動く

ロシアIT大手ヤンデックスは8月31日、米配車サービス大手ウーバーから合弁事業の株式を10億米ドルで取得すると発表した。対象となるのはフードデリバリー「ヤンデックス・イーツ」、食品配達「ヤンデックス・ラフカ」、急送便「ヤンデックス・デリバリー」および自動運転の4事業で、全額を現金で支払う。これらの事業に対するヤンデックスの持ち株比率は100%に上昇する。

また、配車事業MLUでは株式4.5%を取得し、出資比率が71%に拡大する(うち3%は従業員割当分)。年内に手続きが完了する見通しだ。ヤンデックスはさらに、今回の取引で、ウーバーの持つMLU株29%について今後2年間、18億~20億ドルで買収できるオプション権を獲得した。

ヤンデックスは、新型コロナ禍によるロックダウン(都市封鎖)でフード・食品デリバリーの需要が急激に拡大したのを追い風に売上が急増した。独自に展開するオンライン通販やストリーミングサービスも伸びている。今回の合弁事業の完全子会社化は、事業成長の加速を狙ったものとみられる。

ヤンデックス・イーツは2021年4-6月期の売上高を前年同期比93%増の81億ルーブル(1億1,000万米ドル)に伸ばしたものの、営業損失(EBITDA)は200%増の30億ルーブルに悪化した。配車・デリバリー事業全体では15億ルーブルの黒字を確保した。

ヤンデックスは、収集した情報を活用し、1つのサービスを利用した顧客に自社の他のサービスの利用を促す中国式「エコシステム(経済圏)」の構築を狙っている。ヤンデックスと、電子商取引(EC)大手のワイルドベリーズ、オゾンはいずれも今年、金融サービス開始への足掛かりとして銀行を買収した。

一方、国内金融最大手のズベルは、ヤンデックスと競合するIT大手メール・ルと合弁提携を結び、配車「シティモビール」、フードデリバリー「デリバリークラブ」の両事業に巨額投資を実施した。ただ、昨年以来、両社の意見が合わず、関係は破綻の危機に瀕している。(1RUB=1.50JPY)