ブロックチェーンで八百長警報、英社がモルドバ・サッカー連盟と契約

●サッカーくじの販売動向と試合の録画画像を照合し、不正を検出

●プレミアリーグ所属チームの半数が八百長に関与の事実

ロンドンに本拠を置くブロックチェーン企業のブロックチェーン・アルゴリズムは8月31日、モルドバ・サッカー連盟(FMF)に八百長試合を通報するサービスを提供すると発表した。サッカーくじ(トトカルチョ)の販売動向を分析し、試合の録画画像と照らし合わせて不正が疑われる試合をあぶりだす。該当する試合があればFMFに通報する。第一報は無料、より詳しい情報が必要であれば有料で対応する。

同国では昨年12月、競争当局が欧州刑事警察機構(ユーロポール)と共同で進めた捜査の結果、プレミアリーグに所属するチームの半数が八百長に関わっていた事実が判明した。昨シーズンに八百長で勝負が決まった試合は20試合近くに上ったとみられている。関係者は各チームの経営責任者からコーチ、選手に至るまで、あらゆるレベルにおり、モルドバの腐敗ぶりが改めて認識された。

人口350万人のモルドバは、西欧とロシアのはざまに位置する。ここ数年、国庫から10億ドル強が海外に不正送金された「大窃盗事件」をはじめ、汚職事件と不正で揺れてきた。昨年11月の大統領選挙では、汚職追放を公約したマヤ・サンドゥ候補が親ロ派の現職イゴル・ドドン候補を破って当選した。

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