●アムールGPPにおけるヘリウム生産ライン稼働に伴いオープン
●同ラインは年産能力が2,000万立方メートル
ロシア国営ガスプロムは3日、極東ウラジオストクから北に30キロほど離れたナジェジジンスコエ地区で、ヘリウム物流センターを開所したと発表した。アムール天然ガス処理工場(GPP)で生産する液化ヘリウムを世界市場に供給する基地となる。
新センターは、ガスプロムのヘリウム供給チェーンの要と位置づけられている。コンテナ保守管理から、物流業務の調整、受入れ・積み替えの記録まで包括的に業務を担当する。近隣に位置する海港を経由して、需要の大きいアジア太平洋地域をはじめ、世界に供給していく方針だ。
物流センターは、アムールGPPにおけるヘリウム生産ライン稼働に伴いオープンした。同ラインは年産能力が2,000万立方メートルで、サンクトペテルブルクの設備メーカーがロシア企業として初めて生産したスパイラル熱交換器を採用している。
アムールGPPはアムール州スヴォボードヌイ近郊に位置する。今年6月にガス処理プラントが始動した。天然ガスパイプライン「シベリアの力」を通じて、サハ共和国のチャヤンディンスコエ鉱区からガスの供給を受けている。この後にはイルクーツク州のコヴィクチンスコエ産のガスも受け取る。
2025年のフル稼働時には年間420億立方メートルを処理し、エタンを240万トン、液化天然ガス(LPG)を150万トン、ヘリウムを6,000万トン生産する見通しだ。エタンとLPGは主に、石化大手シブールと同業の中国石油加工(シノペック)が運営するアムール・ガス化学コンビナートに供給する。