露ファッションEC大手クピビップ、営業終了

●同社は2008年設立、近年は業績が落ち込む

●ヤンデックスが買収狙うも、7月に突然取引解消を発表

ロシア電子商取引(EC)市場の格安ファッション分野で先駆的役割を担ったクピビップ(KupiVIP)が、9月初めに営業を終了した。同社を巡っては国内IT大手のヤンデックスが5月末、自社ECマーケット「ヤンデックス・マーケット」のファッション事業拡大を狙い、同社の買収を明らかにしたが、7月に突然取引解消を発表した経緯がある。

クピビップは2008年にファッションEC事業を開始し国内大手に急成長したが、近年は業績が落ち込んでいた。オンラインマーケット「マムジー(Mamsy)」を展開するほか、モスクワに5店舗と物流センターを構える。ウェブサイト、携帯アプリ、実店舗のマルチチャネルブランドを目指したが、資金調達が困難で実現しなかった。

ヤンデックスによるクピビップ買収価格は約10億ルーブル(約1,400万ドル)、あるいは負債額を考慮すると事実上ゼロなど様々な推測が流れた。ヤンデックスは物流センターの規模拡大やサプライヤーと従業員の増強を図り、段階的に「ヤンデックス・マーケット」に統合する考えだった。(1RUB=1.50JPY)

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