●新設予定は「南東欧持続可能技術国際研究所(SEEIIST)」
●スイスの「CERN」を手本に、欧州の研究者の緊密な協力の場に
南東欧に最先端の研究機関を設立する動きが具体化している。世界的にその実績が認められているスイスの欧州原子核研究機構(CERN)に範を取り、南東欧における国際研究提携を促進する狙い。13日にはスイス外務省の招きで10カ国の政府・関係省庁の代表者がベルンを訪れ、準備会合に参加した。
新設が予定されているのは、「南東欧持続可能技術国際研究所(SEEIIST)」で、生物医学や放射線治療など医療関連研究の推進を使命とする。具体的には、がんの放射線治療の一種であるハドロン治療の研究などが予定されている。
SEEIISTの設置を発案したのは、CERNで所長を務めたヘルヴィヒ・ショパー教授だ。CERNが1954年に設立され、欧州の研究者が緊密に協力する場となったことが欧州の平和に寄与したとの考えから、最先端の研究機関の存在が、特に西バルカン諸国間に残るしこりを長期的に解いていく助けになるとみている。
13日の会合には、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、ギリシャ、コソボ、モンテネグロ、クロアチア、北マケドニア、セルビア、スロベニアの10カ国から代表が出席した。