露オクシアルが欧米での上場を計画、SPACとの事業統合方式で年内にも

●企業評価額は30億ドル、調達額は最大8億ドルを目指す

●7月に行った第3者割当増資ではダイキン工業などが出資

ロシアのカーボンナノチューブ大手、オクシアル(OCSiAI)が欧米の証券取引所で年内の上場を計画している。未公開会社・事業の買収を目的とした特別買収目的会社(SPAC)との事業統合による上場スキームをとる。同社の共同創業者、コロパチンスキー氏はこのほど行われたロシア版『フォーブズ』のインタビューで明らかにしたもので、企業評価額は30億ドル、調達額は最大8億ドルを目指している。

SPACは事業実態がない会社として株式公開し、その調達資金で事業会社を買収する。事業統合した後、事業会社名で株式が取引される。上場を目指す企業には新規株式公開(IPO)に比べ時間とコストがかからないことが大きな利点だ。ロシアではこれまでに電気自動車(EV)メーカーのアライバル、ゲーム開発ネクスターズ、宇宙事業モメンタスがSPACとの統合で上場している。

オクシアルは2010年の設立で、企業価値約20億米ドルのユニコーン企業に急成長した。同社のカーボンナノチューブはエラストマー、電池、塗料、合成樹脂などに使用されている。今年7月に行った第3者割当増資ではダイキン工業などが出資した。国外事業拠点は米国、オーストラリア、ドイツ、中国、香港、日本、韓国、マレーシア、インド、メキシコにある。

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