スロベニアの大手製薬2社、新工場設置を計画

●後発医薬品大手のレクとクルカ、総額2.45億ユーロを投資

●レクは米ファイザーのコロナワクチン充填作業を請け負う

スロベニアの後発医薬品大手レク(Lek)はこのほど、首都リュブリャナにバイアル剤とプレフィルドシリンジ(薬剤充填済み注射器)の製造施設を新設する計画を明らかにした。米ファイザーの新型コロナワクチンの充填作業工程受託に伴うもので、8,260万ユーロを投じる予定だ。スロベニア政府による660万ユーロの助成について、欧州委員会からの承認が受けられることを条件としている。

レクはスイス製薬大手ノバルティスの子会社。ノバルティスは2022年上期中にレクのリュブリャナ工場でワクチン充填を開始することを目指している。新設する施設は2024年の稼働を予定している。

ライバルの後発医薬品会社クルカ(Krka)は、クルシュコに2つ目の原薬工場を設置することを検討している。現地報道によると、投資規模は1億6,300万ユーロに上る。ヨージェ・ツォラリッチ最高経営責任者(CEO)はクルシュコで原薬の研究開発・生産に当たる従業員の数が現行の100人から2~3年後には200人に増えるとみている。

クルカは中東欧でも大手の製薬会社で、昨年の売上高(速報値)は15億6,600万ユーロに上った。ロシアが主要市場の一つで、モスクワ近郊に直営工場を持つ。

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