●フューチャーミートは培養細胞を用いた食肉製造技術を開発
●タイCPFは動物性たんぱく質代替食品市場でも主導的地位を狙う
イスラエルのフードテック企業フューチャーミート(Future Meat)が、タイの畜産・食肉加工最大手のチャルン・ポクパンド・フーズ(Charoen Pokphand Foods, CPF)と食肉製造で提携する。CPFがアジア市場向けに計画している新しい食肉ブランドに協力し、細胞培養肉の製造を請け負う。昨年11月に成長資金として3億4,700万ドルを調達し、2024年から米国での生産も計画するなど事業拡大に意欲的だ。
フューチャーミートは家畜から採取した細胞を培養し、遺伝子組み換えなしの食肉(non-GMO)を製造する技術を開発している。昨年秋に完成したテルアビブ近郊のレフォヴォト工場は1日あたり500kgの生産能力を備え、現在鶏肉を生産している。豚肉、羊肉、牛肉の開発も進めている。家畜の飼育・屠殺を行わない倫理的な食肉製造方法で、生産コストも大幅に抑えることができる。
CPFは昨年、植物由来製品ブランド「ミートゼロ」を市場に投入。アジアで好評を得ており、今年は米国や欧州市場にも進出する考えだ。持続可能かつ健康な環境で飼育した家畜による製品を提供するとともに、動物性たんぱく質代替食品市場でも主導的なサプライヤーを目指している。