●代替タンパク分野で同国の主導的地位を維持・強化する狙い
●同分野の国内市場は昨年、前年比で450%も成長
イスラエルのイノベーション庁はこのほど、培養肉を開発する「世界最大の」コンソーシアムに対し1,800万米ドルを助成することを決定した。期間は3年。動物性タンパク食品に代わる代替タンパク分野でイスラエルの主導的地位を維持・強化する狙いだ。国内の14企業、学術研究機関10機関が参加している。
コンソーシアムのメンバー企業には、アレフファームズ(培養肉)、スーパーミート(牛肉・鳥肉の細胞培養)、バイオベター(肉の培養に必要な成長因子)、バイオロジカル・インダストリーズ(化学・バイオテクノロジー)、バイオダリア(生物農薬、発酵食品)、シーヴィクス・マテリアル・サイエンシズ(人造「クモの糸」)などが名を連ねる。研究機関としては、エルサレムのヘブライ大学、テルアビブ大学、テクニオン・イスラエル工科大学、ライヒマン大学(旧IDC)、ヴォルカニ・センター(農業研究機構)などが参加する。
イスラエルは近年、培養肉の重要な開発立地に成長した。肉や乳製品、卵に代わるタンパク食品(植物由来、培養、虫タンパク)や発酵食品・サービスなどからなる代替タンパクの国内市場は昨年、前年比で450%も成長した。国内のスタートアップの資金調達総額も6億2,300万ドルに上った。マッキンゼー&カンパニーによると、世界の市場規模は2030年に250億ドルに達する可能性がある。