●微細藻類を用いた培養技術開発は欧州企業で初
●人口増でもタンパク質を取れるようにするための「選択肢」に
チェコのフードテック企業ミウェリー(Mewery)はこのほど、ウシ胎児血清(FBS)の代わりに植物プランクトンなどの微細藻類(個体の識別に顕微鏡が必要な藻類)を用いた豚肉培養技術を開発した。同社によると、欧州企業がこれに成功したのは今回が初めて。その将来性を評価して、米アクセラレータのビッグアイデア・ベンチャーズから投資を受けることが決まった。
ミウェリーの創業者であるロマン・ラウシュ最高経営責任者(CEO)によると、同社の技術は細胞を育てるためのもので、医薬品業界では何年も前から基本的に同じ手法が使われている。現行の食肉産業に代わって、世界をより持続可能にし、人口が増えても皆がタンパク質を取れるようにするための「選択肢の一つ」として自社製品が役立つという。
豚肉は世界で2番目に消費の多い肉の種類で、欧州、ロシア、中国では特に人気がある。ミウェリーはこれを踏まえ、培養豚肉の欧州最大手になることを目標に掲げた。微細藻類を活用した独自技術で、培養コストを7割引き下げることに成功したという。規制当局の承認を経て、2026年の販売開始を目指している。