ハンガリーとセルビア、戦略的パートナーシップを確認

●対ロ制裁でEUと一線を画す両国が関係を強化

●エネルギーの安定供給に向けて協力を継続

ハンガリーのオルバン首相は21日、セルビアのノビサドで行われた農業見本市を訪れ、同国のブチッチ大統領と会談した。両首脳は両国間の戦略的パートナーシップを確認し、来る冬に協力して備えることで合意した。具体的には、セルビアの調達した天然ガスをハンガリーの備蓄施設で保管することが約束された。

ブチッチ大統領によると、ハンガリーにセルビアの天然ガスを3億~5億立方メートル備蓄する方向だ。会談では電力政策に関連し、◇ハンガリーのパクシュ2原発計画へセルビアが10~15%出資する◇その代わりに、セルビアがルーマニアと共同で1970年代に建設したドナウ川最大級のジェルダップ水力発電所に、ハンガリーが投資する――ことを提案したという。

なお、セルビアでは電力安定供給に向けて、小型モジュール原子炉(SMR)の設置も検討されているという。

ブチッチ大統領は欧州連合(EU)の対ロシア制裁に加わることや、ロシアのウクライナ侵攻を公に避難することを拒否してきた。一方、オルバン首相はEUの中でも対ロシア制裁に慎重で、プーチン大統領にとって「欧州の盟友の一人」でありつづけている。

上部へスクロール